お伽話のように

小説の読書感想文

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『それでも君が』著:高里椎奈 講談社ノベルス

キンカンは暖かな木漏れ日の中で目を覚ました。
騒がしいほど元気のリラ
みんなのお母さん役のヴィオラ
瓜二つだが正反対そして同調する双子のシンとバル
キンカンの前に生まれた優しいピアニカ
個性豊かな5人に家族として迎え入れられたキンカンは
問題を抱えながらも、なんとか順応しようとする。
しかしやがて、
彼らを含めて31人しかいない世界で悲劇が起こる。
不思議な世界で起こるある事件をキンカンは
解決できるのか!!?


ごめんなさい、嘘つきました。
キンカンはそんなに積極的じゃないよね。


『それでも君が』『お伽話のように』『左手をつないで』
の三部作で構成される「ドルチェ・ビスタ」シリーズですが
僕が一番気に入っていたのが『それでも君が』です。
心温まるファンタジーで戦いはないわ愛憎もない。
(訂正:そりゃ少しはあるよね、どんな小説にもあるもんね)
主要登場人物はみんな家族思いだし、読んでて晴れてくる
そんな感じがするのが前半。
中、後半にかけてはかなりの展開で進むので
穏やかに読むことができない、
さらに段々世界の汚さも見えてくる。

全体としてはさらっと読めて、
読後には「・・・え、終わりですか?」
てな感じになると思われます。
三部作で世界を分けないで
全部この世界にしてくれれば
もう少し納得もできたろうに
もっと彼らの話が読みたかったよぅ。

今回は読二回目なんですが、
一回目に感じたほどの面白みは消え去っていましたね。
どんな小説でも大抵そうだろうけども
内容を知っているとここまで色褪せてしまうのかと。
それに作品の粗も見えてきてしまうわけで、
この本読みたい人には、初読が大事ですよ!と伝えたい。

ネタバレありの感想は↓
えーと、二回目読んで気付いたんですけど。
この作品、後半展開が早すぎてどうしようもないですね。
大体、キンカンが世界の法則を見つけるの
早すぎませんか?
自分が追われて、カフォンを殺した犯人を探さなきゃいけない。
だけれども、この世界の人達を疑いの念で見たくないって・・。
その道筋はわかりましたが、多分僕が知ってる名探偵の中で
彼が最も早く謎を解いたんじゃないでしょうか・・。
キンカンの考え方が地球レベル(seki達の世界)だと思うんですけど。
だって・・・地球の考え方がないと、あれは解けないでしょう。
おかしいよ。

そして家族の会話、これも違和感感じました。
なんか、おかしいほど優しすぎないですか?
普通家族っていったら罵倒、喧嘩はあたりまえでしょう?
(僕の家だけなのかな・・・でもみんなB型だからすぐ忘れるんだけど)
読んでて気持ち悪いぐらいになってしまいました。
だから『ドルチェ・ビスタ(甘い景色)』なのかな。
まぁ僕には、この世界が甘いというより、怖い景色にしか見えません。

それでも僕はこの『それでも君が』が好きです。
やっぱり初読の時の面白さは忘れません。

続編の『お伽話のように』はあまりお勧めできません。
舞台が地球になって、そしてなんだかわけがわからない話だからです。
ファンタジーでもなく、普通の話でもない。
わかったのはキンカンやロカンなどが、
蜜柑関係の名前だってこと・・・。
『左手をつないで』は辛うじて読める話ではありますが
いまいちだと思います。
最後だけは、なるほど となりますが。
その為に買う価値があるかどうかは微妙。
ジャファは可哀想だなぁ・・。
リラはなんだか冷たいなぁ・・。
それも世界が永遠ではないからなのだろうね。

でも、『それでも君が』を読んでしまったら
勢いで続編も読んでしまいましょう。
きっと不思議(?)な気分になれるよ・・・。
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